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企業未来予想 (株)アイロムグループ 2372

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2022年8月14日更新
こんばんは。にじいろキャピタルです。
 
今日の企業未来予想は(株)アイロムグループについて取り上げてみたいと思います。
 
尚、企業未来予想はにじいろが気になった企業の現状を調査し、勝手に未来を予想するものです。

決しておすすめ銘柄というわけではございません。投資に関しましてはご自身でご判断の上行っていただくようお願いします。
 
この記事は2022年8月14日時点の情報にもとづき作成しております。

(決算情報は2022年3月期決算の決算情報を使用しております。)

 

1.(株)アイロムグループとは?

1.1.どんな会社?

 (株)アイロムグループ(以下アイロムGと表記)は医療に関する以下の4つの主な事業を行っている会社です。

①治験施設支援機関事業(SMO事業)②開発業務受託機関事業(CRO事業)③先端医療事業④メディカルサポート事業。

22社の連結子会社と関連会社1社により構成されています。

1.2.これまでの歩み

1997年4月  医薬品の臨床試験の受託、仲介を目的として設立し、SMO事業を開始

2002年3月  医療機関等への融資、コンサルティング等を目的に、(株)アイロムメディック((株)アイロムP.M)を設立

2003年10月 JASDAQ市場に上場

2007年1月  CRO事業への参入のため、(株)アイクロスを設立

2013年3月 九州地区のSMO事業強化のため、(株)アイロムが(有)クリニカルサポート(アイロムCS)を連結子会社

2014年1月 先端医療事業を行うため、ディナベック(株)((株)IDファーマ)を連結子会社化。

2017年6月 SMO事業の拡大のため、(株)エシック(アイロムEC)を連結子会社

2017年8月 CMAX Clinical Research Pty Ltdを完全子会社化

2018年1月 中国・香港に I'ROM LIMITEDを設立

2019年11月 先端医療事業強化のため(株)ICEを完全子会社化

 

1.3.関係する会社(人)
 大株主は筆頭株主が森豊隆社長(39.37%)、第2位が森利恵氏(6.83%)で以下金融機関が並びます。森社長と森利恵氏で約過半の持分なので、支配している状態といえるでしょう。
事業が多岐に分かれてますので、経営に影響をあたえるような販売先や仕入れ先は特にないようです。

2.最近の状況

2.1.収益性
直近3年間の実績は以下の通りです。

過去3年間は増収増益です。

コロナウィルス感染治療と直接関係する事業はあまりないのですが、医療支援サービスの需要は堅調だったということになります。

 

 尚、2022年3月期の事業別売上は以下の通り

2022年3月期 有価証券報告書より引用

主力のSMO事業とCRO事業は前年同期比を大きく上回っておりますが、先端医療事業とメディカルサポート事業は前年を大きく下回る結果になりました。

先端医療事業はコロナワクチンをはじめとする研究開発に注力し、その経費が増加したため営業損失となりました。

2.2.財務状況
直近3年間の主な財務状況です。

有利子負債が増えたため、自己資本比率が減少し、有利子負債比率が増加しております。最先端医療等への投資額が増えたためです。財務内容は健全な範囲ではあるものの、年々負債が増える傾向にあります。
 
2.3.その他

・新型コロナウィルスのワクチン生産工場を新設するとの発表がありました。

www.yomiuri.co.jp  2021/3/30読売新聞オンライン

 

・世界初IPS細胞培養上清液配合コスメ販売好調とのことです。

www.syogyo.jp2021/4/5週間粧業オンライン

 

3.未来予想

3.1.事業分野の将来
 ・日本国内は高齢化が進みますます医療需要が高まる一方で、医療従事者の専門性、希少性が高まることが予想されます。分業化が進むことにより医療支援サービスの需要も高まることが予想されます。
先端医療分野への需要もますます高まることが予想されます。
・クリニックモールなどの施設管理などは、住宅メーカーなど異業種からの新規参入も増えることが予想され、競争が激しくなる可能性があります。
 
3.2.業界内のポジション
・ ヘルスケア会社、医療法人など多数参入しておりますが、SMO事業やCRO事業に専門的に取り組んでいる企業はほとんどありません。
・新型コロナウィルスの開発を進めており、非臨床試験において成果がでているとのことです。また、IPS細胞関連のライセンスやキットの販売も堅調な上、IPS細胞を利用した化粧品の発売も開始しており、独創的な事業となっております。
3.3.新しい取り組み
 ・新型コロナウィルスワクチンの生産工場を新設し、大量生産を目指してます。
・世界初のIPS細胞培養上清液配合コスメを発売し、化粧品販売を開始してます。

 

4.まとめ

4.1.これまでの情報をまとめると

 アイロムグループは医療支援サービスを主力事業とする企業で、近年先端医療分野にも進出し実績をあげている企業。

 

・森社長が筆頭株主になっており、経営者の影響力が強い。

 

・売上高は堅調に伸びているが、先端医療事業など多額の投資が必要な分野もあり費用も増加傾向にある。

 

・SMO事業、CRO事業、先端医療事業は今後も需要が高くなる見込み。専門性が高いため、異業種の参入も限定されると思われる。

 

・新型コロナウィルスワクチンの開発やIPS細胞の技術を利用した化粧品開発など、専門性の類稀な事業を進めており、今後の事業拡大が期待できる。

 

4.2.アイロムグループの未来は?

 ・専門分野の人材を獲得し先端医療の技術開発競争で生き残れば、海外市場でも十分競争できるので大きく事業拡大していく可能性があります。

 

・コロナウィルスワクチンの大量生産ができれば、知名度が急上昇しブランド力が高まり収益に貢献する可能性があります。

 
いかがでしたでしょうか。
興味がありましたら、アイロムグループのホームページをご覧ください。
 
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